僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。とは
「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。」とは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』(1979年放送・全43話)の第19話「ランバ・ラル特攻!」で、主人公アムロ・レイが放った言葉です。ジオン公国軍の名指揮官ランバ・ラルの駆るグフを退けた直後、無断でガンダムを持ち出していた罰として閉じ込められた部屋の中で、彼はこの言葉を叫びます。字義どおりに読めば操縦技量の誇示ですが、場面を追うとそう単純ではありません。彼はその直前、自分を迎えに来た相手から「戻ってきてほしかったのは君ではなく機体のほうだ」という意味のことを告げられているからです。返答を求める部屋で、自分の存在価値を操縦の腕でしか言い返せなくなった少年の悲鳴——それがこの一言の正体です。
- ① セリフそのもの
- ファン運営のガンダム情報サイト「ガンダムチャンネル」(gundam-c.com)のガンダム名言集に、アムロ・レイの名言の一つとして詳細ページが立てられています。ページに書かれているのは見出しのセリフと、場面説明の2文だけ。話数の記載はなく、場面の特定は公式配信の字幕と公式サイトのあらすじによります。なお、この底本はファンが運営するサイトであり、同じ名前で呼ばれている公式の配信チャンネルとは別の存在です。
- ② 公式配信の字幕での形
- 公式配信(バンダイチャンネル)の字幕では、この叫びは4つに分かれています。「僕が 一番…」(第19話・配信動画のおよそ22分12秒)、「ガンダムを うまく使えるんだ…」(22分15秒)、「一番…」(22分19秒)、「一番うまく使えるんだ!」(22分20秒)。つまり劇中では「一番」が3度繰り返されます。見出し語との違いは、この反復のほかに句読点です。字幕には読点も句点もなく、区切りは半角スペースと三点リーダで、最後だけが感嘆符で締められています。見出し語の1文は、叫びの前半を読みやすく整えた形だと言えます。
- ③ 基準表記
- 本サイトは見出し語として底本の表記「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。」を採ります。ねとらぼ調査隊の名言ランキングも同じ形です。一方で、ニコニコ大百科とピクシブ百科事典はいずれも「上手く扱える」と書いており、ネット上の表記は「うまく使える」「上手く使える」「上手く扱える」の3系統に割れています。この叫びの字幕はテレビ版・劇場版ともひらがなの「うまく使える」で、「扱える」の形は使われていません。本記事では、劇中の言葉として引用するときは字幕の形を使います。
出典・初出
出典はテレビアニメ『機動戦士ガンダム』。公式サイトの作品データは「放送:1979年 [TV]」「話数:全43話」と記載し、シリーズ区分は宇宙世紀シリーズです。公式のスタッフ表記は、企画がサンライズ、原作が矢立 肇と富野喜幸(当時の表記)、アニメーションディレクターが富野喜幸、キャラクターデザインが安彦良和、メカデザインが大河原邦男。制作は名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズとなっています。
セリフの初出は第19話「ランバ・ラル特攻!」。Wikipediaの各話リストによれば放送は1979年8月11日、脚本は星山博之、絵コンテは斧谷稔(富野由悠季の別名義)、演出は行田進、作画監督は安彦良和です(同リストの節には出典明記を求めるテンプレートが貼られており、一次資料での裏取りは本記事では行えていません)。配信元のバンダイチャンネルの第19話ページは本編を25分と表示しています。公式サイトのストーリーページに載る第19話のあらすじは、砂漠を放浪するアムロがレストランでラルと出会い、互いの正体を知らないまま席を同じくし、やがてガンダムとラル機の死闘に至る筋を語ったあと、最後をこう結んでいます——「戻ったアムロは、独房に入れられて絶叫するが、やがてラルに勝ちたいという決意が、彼の表情を変えるのであった。」
話者のアムロ・レイは、公式サイトのキャラクターページで声が古谷 徹、所属が地球連邦軍、搭乗機がガンダムと紹介されています。同ページの紹介文は彼を「サイド7に住む機械いじりの好きな内向的な少年。」と説明したうえで、「ジオン公国軍のシャアやランバ・ラルとの戦闘を通じ、戦いの厳しさを知り、ニュータイプへと覚醒していく」と書きます。公式が成長の節目としてラル戦を名指ししている、その回に置かれたのがこの叫びです。なお、この場面に関わるリュウ・ホセイ、セイラ・マス、ランバ・ラルの声優名は、公式のスタッフ&キャストページにも各キャラクターページにも記載がないため、本記事では扱いません。
「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。」
アムロ・レイ(声:古谷 徹)——『機動戦士ガンダム』第19話「ランバ・ラル特攻!」(1979年)より。表記はファン運営のガンダム情報サイト「ガンダムチャンネル」のガンダム名言集に従った(公式配信の字幕は4つに分かれ、「一番」は3度繰り返される。上の「② 公式配信の字幕での形」参照)。このセリフを名言として掲げた公式サイトの記事は、今回の調査では確認できませんでした。ただし公式は、同じ場面について2種類の記述を残しています。ひとつは公式ポータルに載るアニメ評論家・氷川竜介さんによる第19話の解説(2007年11月20日付)で、この回の見どころを整理する中に【ガンダムとアムロの関係】という見出しを立て、無断でガンダムを持ち出した結果「アムロが大事かガンダムが大事か、本質をめぐる混乱が生じてしまった」と書いています。叫びの主題そのものを、公式サイトの記事が言語化していることになります。もうひとつは公式連載「ガンダムパワーワード」の第2回(2017年8月28日)で、こちらは同じ独房の場面の“対のセリフ”である「僕は、あの人に勝ちたい」を取り上げ、「アムロがはじめて、戦士としてきちんと勝利を意識した瞬間だったと言えます」と評しています。加えて、劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』の公式ページは、この時期のアムロを「パイロットとしての増長と挫折」を通じて成長していく姿として要約しています。増長と挫折が同じ一場面に同居しているのが、第19話の終盤です。
断定できないこと
底本のガンダムチャンネル(gundam-c.com)はファン運営のサイトであり、公式資料ではありません。映像本編は視聴確認しておらず、セリフと場面の記述は公式配信の字幕データの実測・公式サイト・各種二次資料の照合によります。字幕データには話者名が含まれないため、アムロ以外の発言者については前後の文脈からの推定にとどめ、断定していません(本文では「〜とみられる」と書き分けています)。見出し語の末尾の句点「。」と読点「、」は底本の整形で、字幕には存在しません。叫びの直後に流れるランバ・ラルの言葉が回想であることは公式の解説が述べていますが、字幕データ上でそれが回想として区別されているか(括弧などの表記があるか)は確認できていません。第19話の放送日とスタッフはWikipediaの各話リストによるもので、同節には出典明記を求めるテンプレートが貼られています。公式サイトは動的に描画されるページで外部の検索エンジンからの索引が十分でないため、「公式に名言として紹介した記事がない」は今回の調査で探せた範囲の話です。また、この叫びを「悲鳴」と読む解釈は本記事のもので、公式の説明ではありません。
名場面の中身:必要なのは君ではなく機体だと言われた少年の返事
この場面に至るまでの経緯は、公式のあらすじが語るとおりです。ホワイトベースを無断で降りたアムロは砂漠をさまよい、立ち寄ったレストランでランバ・ラルとその同行者ハモンに出会います。互いの正体を知らないまま——公式のあらすじによれば、ハモンはこの少年に好意を抱き、ラルも好感を持ち始めます——二人はその日のうちにガンダムとグフで斬り結ぶことになりました。以下、場面の流れは公式配信の字幕を実測して追います(時刻は第19話の配信動画における字幕の表示開始時刻を分秒に切り捨てたもの、「 - 」は字幕データ内の区切り記号です。字幕に話者名はないため、話者は前後の文脈からの推定です)。
戦闘後、艦に戻ったアムロは処分を告げられます。自分の言い分も聞いてほしいと訴える彼に返るのは、聞く訳にはいかない、という応答でした(20分57秒。艦長ブライト・ノアのものとみられますが、字幕に話者の表示はありません)。そこへ、迎えに来た当人とみられる人物が声をかけます。なぜ自分が呼びに行ったと思う、と。アムロは、自分がいなければ戦えないからだと答えます(21分11秒)。返ってきたのは、うぬぼれるなという一言(21分14秒)と、「ガンダムさえ - 戻ってくればと思ったからだよ」(21分16秒)でした。必要だったのは君ではなく機体だ、と言われたわけです。続けて別の乗員から「そのへんをよっく考えんだな - え? アムロ」(21分20秒)と突き放されます。この21分20秒のセリフは、複数のファンによる書き起こしがそろってカイ・シデンの発言としています(字幕自体に話者の表示はありません)。この二つの言葉が、叫びの直接の引き金です。
次にアムロは、閉じ込められた部屋の中から呼びかけを始めます。出してほしい、こんな所に入れることはないでしょう(21分42秒)。ブライトさん、ミライさんでもいい、セイラさん来てください、話を聞いてください、リュウさん、セイラさん——名前を挙げ続け、テレビモニターで聞こえているはずだから答えてほしい、と訴えます(22分00秒)。呼びかけの途中で字幕に現れるアムロ以外のものとみられる言葉は、検索で拾えた範囲では「バカな アムロ」(21分56秒)の1行だけで(字幕に話者の表示はありません)、検索で取得した字幕には、彼の求めに応じる返答は確認できません。最後の呼びかけは「セイラさん! セイラさん!」(22分03秒)。そこから次に取得できた字幕まで約6.6秒の間隔があります。音声が無音であることを示す実測ではありません。その間隔の後に来るのが、この叫びです。
「僕が 一番…」(22分12秒)、「ガンダムを うまく使えるんだ…」(22分15秒)、「一番…」(22分19秒)、「一番うまく使えるんだ!」(22分20秒)。相手に向けた主張ではなく、返答を求めた部屋に向かって投げつけられた言葉と読めます。呼びかけの相手を全員呼び尽くしたあとに残ったのが、自分の腕前という最後の持ち札だった——場面の順序はそう読めます。
叫びのあと、ラルの言葉が流れます。うぬぼれるな(22分37秒)、「お前の力で勝ったのではない - ガンダムの性能のおかげで勝ったのだ!」(22分38秒)、そしてハモンに気に入られた件をからかい、おごらせてもらうと告げる一言(22分46秒)。ここで注意したいのは、これらがラルの実際の発言そのものではないことです。字幕を確認すると、戦闘中のラルは「しかし小僧 - 自分の力で勝ったのではないぞ」(19分53秒)「そのモビルスーツの性能の - おかげだという事を忘れるな!」(19分56秒)と言い、レストランでは7分04秒に、ハモンだけのおごりではない、自分からもおごらせてもらうと語っていました。文言が違うのです。この差異について、公式サイトに載る第19話の解説(氷川竜介さん)は【セリフの差異】という見出しを立て、レストランで出会った時と捨てゼリフを残して去る時、「実際にラルが話した言葉とアムロの記憶で回想される言葉の内容は、かなり異なっている」と指摘し、「主観的な現実感を重視する演出方針」の表れだと書いています。つまりここで響いているのは客観的な記録ではなく、アムロの記憶の中で作り変えられたラルの声です。ちなみに、うぬぼれるなという言葉は第19話の字幕に2度出てきます。1度目は21分14秒、迎えに来た人物のものとみられる発言。2度目が、この22分37秒の回想です。少年の耳の中で、二人の言葉が溶け合っているように見えます。
そして本編は、絶叫では終わりません。「ぼ 僕は 僕は…」(22分53秒)と言いよどんだあと、「あの人に勝ちたい」(22分58秒)。ここで第19話の物語は閉じ、あとは次回予告が続くだけです。公式のあらすじが「やがてラルに勝ちたいという決意が、彼の表情を変えるのであった。」と書くのは、この2つの字幕のことです。公式連載「ガンダムパワーワード」が第2回にこちらを選び、勝利を意識した最初の瞬間だと評したのも同じ場面。「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。」は、増長の頂点であると同時に、そこから決意へ折り返す転回点に置かれた一言なのです。
場面の状況説明は、公式サイトの話数ページ・公式配信の字幕の実測・公式の第19話解説・各種二次資料の照合に基づいています(映像本編は未視聴。上の「断定できないこと」参照)。字幕の表記とタイムコードはバンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」で語句を検索して得た実データによるもので、タイムコードは字幕の表示開始時刻を分秒に切り捨てて表記しています。検索は読み仮名で照合する仕組みのため、語句によっては目的の字幕がヒットしないことがあります。本記事の字幕はキーワード検索でヒットした行の収集であり、場面の全字幕を網羅したものではありません——引用した字幕の間には未収集の字幕がありえます。約6.6秒という間隔にも、未取得の字幕が存在する可能性があります。字幕には話者名が含まれないため、アムロ以外の話者はすべて推定です。字幕は聴覚支援のための書き起こしであり、漢字・かな・区切り位置には字幕制作側の方針が入るため、脚本上の表記とは限りません。
広まった経緯:検索から見える「型」の広がり
今回確認した範囲では、拡散の起点となった一本の大ヒット動画やSNSのイベントは特定できませんでした。実測して見えてくるのは、投票では手堅く上位に入り、ゲームでは繰り返し再収録され、ネットでは中身よりも構文だけが十数年にわたって使い回されてきた——という、地味だが息の長い広がり方です。2026年9月時点の実測で分かった範囲を並べます。
- アムロ限定の投票では6位:ねとらぼ調査隊が2021年8月30日から9月5日まで実施した読者投票「あなたが一番好きな『アムロ・レイ』の名言は?」(投票対象は第1作でアムロが発した15のセリフと「その他」、総数1,363票)で、このセリフは第6位・89票・得票率6.5%でした。注目したいのは、同じ独房の場面から生まれた「…ぼ、僕は、僕はあの人に勝ちたい」が第4位・122票・9%と、さらに上に入っていることです。読者の記憶にも、叫びと決意はセットで残っているように見えます。
- 作品を横断した投票では圏外になる:マイナビニュースが2024年6月に発表した504人対象の名言調査に、このセリフは1件も現れません(選択肢自体に入っていなかったとみられます)。投票サイト「みんなのランキング」のガンダム名言ランキングでも、上位15位までを表示するページに姿はありませんでした(16位以下は未取得です)。「名言ランキングの常連」とは書けないのが実測の姿です。
- ゲームでは「覚醒」の合図になった:対戦アクションの『ガンダムVS.』シリーズ(『EXTREME VS.』系列を含む)では、ファン編集のWikiの台詞収録によれば、初代ガンダムに乗るアムロの台詞としてこのセリフが10タイトルにわたって記載されています(『ガンダムVS.ガンダム』から『EXTREME VS. 2 OVER BOOST』『GUNDAM VERSUS』まで。表記はいずれも読点なしの「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ!」)。しかも『EXTREME VS. 2』のページでは、この台詞は「覚醒時」の節に置かれています。機体の性能を一気に解放する瞬間の合図というわけで、原作では「機体のおかげだ」と否定された自負が、ゲームでは性能を引き出す掛け声として肯定的に置き直されている格好です。同じWikiで『逆襲のシャア』版アムロのページを確認すると、この台詞はありません。一年戦争のアムロだけの言葉として扱われています。
- スーパーロボット大戦では「昔の話」としていじられる:ファン運営のスーパーロボット大戦Wikiによれば、『スーパーロボット大戦GC』では戦闘中に「僕が一番、こいつを上手く扱えるんだ!」と喋ることがあり、『スーパーロボット大戦OE』ではレベルアップ時の台詞に採用されているとされます。さらに『第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇』では、ナビゲーター役のAGがこのセリフを持ち出し、アムロが「参ったな…。昔の話を出されると何も言えない」と返す会話が用意されているとのこと。作り手の側も、これをアムロの気恥ずかしい有名台詞として扱っていることになります。
- ガンダム作品の中でオマージュされている:ファン編集のWikiの記述によれば、『機動戦士ガンダム00』のコミカライズ(作画・田口央斗)の最終決戦で、リボンズ・アルマークが「GNドライヴは僕が一番うまく使えるんだ!!」と叫ぶ場面があるとされます。単なる語呂の借用ではありません。自分こそがこの力を一番うまく使えるのに外される、という嫉妬と自尊心の爆発——アムロの叫びと同じ構造ごと引き受けた引用です。
- ネットで増殖したのは「型」だけ:ニコニコ動画の検索で、題名に「うまく使えるんだ」を含む動画は45件。目的語を差し替えたパロディが、カードゲーム、レースゲーム、ポケモン、経営シミュレーション、果ては犬(パグ)まで12ジャンル以上に広がっています。この45件の最多再生は「僕が一番マゼルベインをうまく使えるんだ!」の21,423再生。語尾を「扱えるんだ」に変えた題名はこれとは別に4件あり、その最多が「僕がガンタンクを一番うまく扱えるんだ!?」の34,895再生で、ガンダムの中で機体だけを入れ替えた自己言及型です。主語を「赤が」「俺が」に替えたもの、動詞まで「踊れるんだ」に替えたものもあり、「僕が一番」と「〜んだ」だけ残っても元ネタが伝わる強度を持っています。投稿年は2008年から2026年まで、18年にわたって続いています(毎年ではありません)。一方で規模は小さく、同じアムロの「二度もぶった。親父にもぶたれた事ないのに!」を扱った動画が単独で242万再生に達するのとは桁が違います。
- タグにもまとめにもならなかった:このセリフを冠したニコニコ動画のタグは事実上存在せず(「ガンダム名言」というタグ自体が0件)、Togetterでこのセリフを検索しても該当するまとめはありませんでした。ニコニコ大百科・ピクシブ百科事典にもセリフ単独の項目はなく、いずれも「アムロ・レイ」の記事の中の扱いです(ニコニコ大百科は語録の一行、ピクシブ百科事典は「アムロ語録」の中の短い場面解説)。ただし、この検索だけでSNSでの大規模な拡散がなかったとは断定できません。
- 表記が驚くほど安定しない:底本・ねとらぼ・書き起こし系サイトは「うまく使える」、事典系(ニコニコ大百科・ピクシブ百科事典)は「上手く扱える」、ゲーム系Wikiは作品によって「上手く使える」「上手く扱える」。読点の有無、句点の有無、感嘆符の全角と半角、「一番」の位置(「僕が一番うまくガンダムを」という語順違いもあります)まで含め、さらに他作品でのオマージュやゲーム内での言い換えまで数えると、収集できただけで18の書かれ方が集まりました。同じ記事の中で句点の有無が揃っていない例すらあります。字幕の実形が4つに分かれ、しかも「一番」を3度繰り返すことを思えば、どこを切り取るかで形が割れるのは当然かもしれません。
断定できないこと
X(旧Twitter)上の投稿数・拡散量は未測定です(件数の実測を行っていません)。ゲームでの台詞収録はいずれもファン編集のWikiの記述によるもので、実機やメーカー公式の台詞表での照合はできていません。『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズでの採用は一次情報を確認できなかったため、本記事では扱っていません。『機動戦士ガンダム00』のコミカライズの場面も、原典のコミックス本体は未取得です。スーパーロボット大戦Wikiが記す「エースボーナスはこの台詞を再現したものか」という趣旨の記述は同Wiki自身が推測形で書いているため、本記事では採っていません。件数・再生数は2026年9月時点の実測値で、ニコニコ動画のタグや題名は後から変わりえます。アニメ系ニュースサイトの一部は本文が動的に描画されるため内容を確認できておらず、「掲載がない」と断定してはいません。
よくある質問
「僕が一番、ガンダムをうまく使えるんだ。」は誰のセリフですか?
テレビアニメ『機動戦士ガンダム』(1979年・全43話)の主人公アムロ・レイのセリフです。公式サイトのキャラクターページは、声を古谷 徹さん、所属を地球連邦軍、搭乗機をガンダムと記載し、紹介文では「ジオン公国軍のシャアやランバ・ラルとの戦闘を通じ、戦いの厳しさを知り、ニュータイプへと覚醒していく」と書いています。この叫びは、そのランバ・ラルとの戦いの直後に置かれた一言です。
どの場面に登場しますか?
第19話「ランバ・ラル特攻!」(Wikipediaの各話リストによれば1979年8月11日放送)の終盤、ホワイトベースを無断で降りていたアムロが連れ戻され、独房に入れられた場面です。公式サイトのあらすじは「戻ったアムロは、独房に入れられて絶叫するが、やがてラルに勝ちたいという決意が、彼の表情を変えるのであった。」と書いています。公式配信(バンダイチャンネル)の字幕では、配信動画のおよそ22分12秒から22分22秒にかけて表示されます。
劇中でもこの通りに言っているのですか?
言っている内容は同じですが、形は違います。公式配信(バンダイチャンネル)の字幕では4つに分かれ、「僕が 一番…」「ガンダムを うまく使えるんだ…」「一番…」「一番うまく使えるんだ!」と続きます。つまり劇中では「一番」が3度繰り返されており、見出し語にある読点「、」と句点「。」は字幕にはありません。見出し語の形は、ファン運営のガンダム情報サイト「ガンダムチャンネル」(gundam-c.com)の名言集の表記に合わせたものです。
どういう意味ですか?
字義どおりには「ガンダムを一番うまく操縦できるのは自分だ」という主張ですが、場面を見るとこれは自慢ではありません。直前にアムロは、自分を迎えに来た理由を尋ねて「ガンダムさえ - 戻ってくればと思ったからだよ」(「 - 」は字幕データ内の区切り記号)と告げられています。必要なのは自分ではなく機体のほうだ、と言われた少年が、閉じ込められた部屋で返答を求めながら、自分の値打ちを操縦の腕でしか言い返せずに叫んだ言葉です。公式サイトに載る第19話の解説(アニメ評論家・氷川竜介さん)は、この回を「アムロが大事かガンダムが大事か、本質をめぐる混乱が生じてしまった」回だと書いています。
劇場版でも同じセリフを言いますか?
言います。第19話は劇場版『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』(1981年公開)に再構成されており、公式配信の字幕ではこの場面が3つに分かれます。「ぼ 僕が… 一番… ガンダムを…」「うまく… 使えるんだ…」「一番 うまく使えるんだっ!」——冒頭がどもりで始まり、最後が促音の「んだっ!」で終わる点がテレビ版と違います。また劇場版では、この直前に「こんな独房に入れる事は無いでしょ?」というセリフがあり、部屋が独房であることが劇中の言葉で示されます(テレビ版の対応する字幕は「出して下さい - こんな所に入れることないでしょう!」で、「独房」の語はありません)。
有名なセリフですか?
アムロのセリフに限った投票では上位です。ねとらぼ調査隊が2021年に実施した「アムロ・レイ」名言ランキング(有効投票1,363票)で第6位・89票・6.5%でした。ただし作品を横断した投票では選ばれないこともあり、マイナビニュースが2024年6月に発表した504人調査には1件も現れません(選択肢に入っていなかったとみられます)。むしろ広がっているのは形のほうで、2026年9月のニコニコ動画の題名検索では「うまく使えるんだ」を含む動画が45件あり、2008年から2026年まで18年にわたって投稿が続いています(毎年ではありません)。ゲームでは対戦アクション『EXTREME VS.』系列でアムロの覚醒時のボイスとして採用されています(ファン編集のWikiの収録による)。
出典・参考
本ページの記述の根拠、および関連する公開情報です。確認できていない事項は本文中で「断定できないこと」として明示しています。
- ガンダムチャンネル「ガンダム名言集」アムロ・レイ 詳細ページ(底本・見出し語表記・場面説明の2文のみで話数の記載が無いことの根拠。ファン運営・非公式) https://www.gundam-c.com/other/wise-remark/gundam/amuro06.html
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「一番うまく使えるんだ」(字幕「一番うまく使えるんだ!」・第19話22:20と、劇場版IIの「一番 うまく使えるんだっ!」の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=一番うまく使えるんだ
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「うまく使える」(字幕「ガンダムを うまく使えるんだ…」・22:15と、劇場版IIの「うまく… 使えるんだ…」の根拠。この語でヒットするのは全カタログで6件のみ) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=うまく使える
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「僕が 一番」(字幕「僕が 一番…」・22:12と、劇場版IIの「ぼ 僕が… 一番… ガンダムを…」の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=僕が 一番
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「戻ってくれば」(字幕「ガンダムさえ - 戻ってくればと思ったからだよ」・21:16の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=戻ってくれば
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「よっく考え」(字幕「そのへんをよっく考えんだな - え? アムロ」・21:20の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=よっく考え
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「うぬぼれるなよ」(第19話に同じ字幕が21:14と22:37の2回ある根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=うぬぼれるなよ
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「性能のおかげで勝った」(回想部分の字幕「お前の力で勝ったのではない - ガンダムの性能のおかげで勝ったのだ!」・22:38の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=性能のおかげで勝った
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「おごらせて」(第19話7:04のレストランでの発言と22:46の回想が別表記であることの根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=おごらせて
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「こんな所に入れる」(字幕「出して下さい - こんな所に入れることないでしょう!」・21:42の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=こんな所に入れる
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「こんな独房」(劇場版IIの字幕「こんな独房に入れる事は無いでしょ?」の根拠。ヒットは劇場版IIの1件のみ) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=こんな独房
- バンダイチャンネル「セリフ検索(ベータ版)」検索結果「あの人に勝ちたい」(字幕「あの人に勝ちたい」・22:58の根拠) https://www.b-ch.com/search/subtitle/?search_txt=あの人に勝ちたい
- バンダイチャンネル『機動戦士ガンダム』作品ページ(配信の根拠) https://www.b-ch.com/titles/929/
- バンダイチャンネル『機動戦士ガンダム』第19話「ランバ・ラル特攻!」配信ページ(本編25分の表示の根拠。同ページのあらすじ「アムロ対ラル、ガンダム対グフの壮絶な一騎討ちが始まろうとしていた!」=ラルの搭乗機がグフであることの根拠でもある) https://www.b-ch.com/titles/929/019
- バンダイチャンネル『劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』作品ページ(第19話が劇場版IIに再構成されていること、および劇場版IIの字幕の根拠) https://www.b-ch.com/titles/103/
- GUNDAM Official Website『機動戦士ガンダム』作品ページ(「放送:1979年 [TV]」「話数:全43話」の根拠) https://gundam-official.com/series/mobile-suit-gundam
- GUNDAM Official Website『機動戦士ガンダム』Episode 19「ランバ・ラル特攻!」ストーリーページ(公式あらすじ「戻ったアムロは、独房に入れられて絶叫するが…」の根拠) https://gundam-official.com/series/mobile-suit-gundam/story/s6rc6yficsdto5sntpz5exf3
- GUNDAM Official Website『機動戦士ガンダム』STAFF & CAST(企画・原作・キャラクターデザイン・メカデザイン・制作の公式表記、およびアムロ・レイの声が古谷 徹であることの根拠。リュウ・セイラ・ランバ・ラルの声優の記載が無いことの根拠でもある) https://gundam-official.com/series/mobile-suit-gundam/staff-cast
- GUNDAM Official Website キャラクター「アムロ・レイ」(所属・搭乗機・紹介文「ジオン公国軍のシャアやランバ・ラルとの戦闘を通じ…」の根拠) https://gundam-official.com/character/aj0titviddebezxugz4f16fp
- GUNDAM Official Website『機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編』作品ページ(1981年公開・「パイロットとしての増長と挫折」の根拠) https://gundam-official.com/series/mobile-suit-gundam-movie-ii
- GUNDAM Official Website 第19話「ランバ・ラル特攻!」解説(氷川竜介・2007年11月20日。「アムロが大事かガンダムが大事か、本質をめぐる混乱が生じてしまった」および【セリフの差異】の記述の根拠) https://gundam-official.com/news/i/special-series/native-gundam-remastered/special-series_native-gundam-remastered_20071120_97p
- GUNDAM Official Website「ガンダムパワーワード 第2回「僕は、あの人に勝ちたい」」(2017年8月28日。公式連載が対のセリフを取り上げ「戦士としてきちんと勝利を意識した瞬間」と評した根拠) https://gundam-official.com/news/i/special-series/gundam-power-word/special-series_gundam-power-word_20170828_1925p
- Wikipedia「機動戦士ガンダム」(第19話の放送日1979年8月11日・脚本 星山博之・絵コンテ 斧谷稔・演出 行田進・作画監督 安彦良和の根拠。各話リストの節には出典明記のテンプレートが貼られている) https://ja.wikipedia.org/wiki/機動戦士ガンダム
- ねとらぼ調査隊「ファーストガンダムのアムロ・レイ名言ランキングTOP15!」(2021年・総数1,363票・第6位89票6.5%・第4位「…ぼ、僕は、僕はあの人に勝ちたい」122票9%の根拠) https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/359853/
- マイナビニュース ガンダム名言調査(2024年6月・504人。当該セリフが現れないことの根拠) https://news.mynavi.jp/article/20240625-2969358/
- みんなのランキング「ガンダム名言ランキング」(上位15位までを表示するページに当該セリフが無いことの根拠。16位以下は未取得) https://ranking.net/rankings/maker-d219cd
- 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム 原作ネタ用Wiki 内検索「うまく使えるんだ」(ファン編集。当該セリフを台詞欄に持つページが10件であることの根拠) https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/?cmd=search&keyword=うまく使えるんだ
- 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム 原作ネタ用Wiki「アムロ・レイ(ガンダム)(EXVS.2)」(ファン編集。台詞が「覚醒時」の節に置かれていることの根拠) https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/pages/1600.html
- 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム 原作ネタ用Wiki「アムロ・レイ(ν)(EXVS.MBON)」(ファン編集。『逆襲のシャア』版アムロの台詞欄に当該セリフが無いことの根拠) https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/pages/1082.html
- 機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム 原作ネタ用Wiki「0ガンダム」(ファン編集。『機動戦士ガンダム00』コミカライズのリボンズによるオマージュの根拠。原典コミックスは未取得) https://w.atwiki.jp/gundam-vs-gnsk/pages/1821.html
- スーパーロボット大戦Wiki「アムロ・レイ」(ファン運営。『GC』の戦闘台詞・『OE』のレベルアップ時・『第3次Z 天獄篇』のAGとの会話の根拠、および「上手く使える」表記の根拠) https://srw.wiki.cre.jp/wiki/アムロ・レイ
- ニコニコ動画 検索「うまく使えるんだ」(題名の借用45件と、その最多再生「僕が一番マゼルベインをうまく使えるんだ!」21,423再生の根拠。件数はスナップショット検索APIの題名検索による実測値) https://www.nicovideo.jp/search/うまく使えるんだ
- ニコニコ動画 検索「扱えるんだ」(語尾を替えた題名4件と、その最多再生「僕がガンタンクを一番うまく扱えるんだ!?」34,895再生の根拠。上の「うまく使えるんだ」45件とは別の検索集合) https://www.nicovideo.jp/search/扱えるんだ
- ニコニコ動画 sm11994737(「二度もぶった。親父にもぶたれた事ないのに!」を扱った動画。242万再生の根拠) https://www.nicovideo.jp/watch/sm11994737
- Togetter 検索結果「ガンダムをうまく使える」(該当するまとめが無いことの根拠) https://togetter.com/search?q=ガンダムをうまく使える
- ニコニコ大百科「アムロ・レイ」(語録に「上手く扱える」表記で並び、セリフ単独の項目が無いことの根拠) https://dic.nicovideo.jp/a/アムロ・レイ
- ピクシブ百科事典「アムロ・レイ」(語録に「上手く扱える」表記で並び、セリフ単独の項目が無いことの根拠。同記事はこの部屋を「営倉」と表記している) https://dic.pixiv.net/a/アムロ・レイ
- アニメ・漫画の名言集「アムロ・レイ」(表記ゆれの一例。「僕が一番ガンダムを上手く使えるんだ。一番、一番上手く使えるんだ!」と区切って掲載している) https://meigen.dancing-doll.com/gundam/amuro-ray.html
- note「ごまさば将軍」第19話感想(ファンによる書き起こし。21分20秒の発言をカイのものとしていることの根拠) https://note.com/generalgomasaba/n/n6e5d462f3404
- ameblo「MS LABORATORY」第19話(同上・独立した2件目のファン書き起こし) https://ameblo.jp/october0079/entry-12499121039.html
- 「私的ガンダム好きなことまとめサイト」第19話(同上・独立した3件目のファン書き起こし) http://heartstrings-on.net/g-my-matome/zenwa/g19/
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